2023/04/10

コロナ前後で世界各国の映画興行収入はどう変化したか

こんにちは。丸山です。

すっかり春めいてきましたがいかがお過ごしでしょうか。私は趣味の銭湯/スーパー銭湯巡りで郊外のとある湯に浸かっていたのですが、そこに地元の中学生3人×2組が入ってきまして、訳知り顔のリーダーがサウナ→水風呂→休憩をセットでこなすのがいいんだと力説し、休憩時には整った、整ったと言っていました。いよいよここまでという思いを強くした次第です。

それはさておき、最近映画館で映画観てますか?

私は年1~2回くらいのライトユーザーなのですが、仕事柄というか映画やエンタメの状況は気になったりするのです。

AIなどが進んだ先で人間でないとできない仕事って考えたときにエンタメやクリエイタの領域があるのではないかという仮説も持っていたりしたのですが、GenarativeAIが進むと、むしろエンタメ領域が先にっていうことにもなりそうな気配ではあります。

ただ、個人的にはみんなの及第点はとれるかもしれないけど、誰かの120点を取るというのはまだ難しいのかもしれないので、そこにこそ人間の生きる道があるのかもっていう話なのかもしれないけど、そうなっちゃうといままでのマスに向けてっていう制作方法自体が大きく変わらざるを得なくなるんじゃないかなと。

そういう意味では顔を浮かべられる人たちに向けたエンタメの提供というところに立ち返るあたりで、人類は平安時代あたりから学ばないといけないのかもしれません。いや、平安時代のエンタメとか知らないのであくまでもイメージですが。

それはともかく映画のお話

ちょうど”映画「スーパーマリオ」、北米週末オープニング興収で今年の最高記録”というお話や”新海誠監督の新作「すずめの戸締まり」、中国で公開、日本アニメ映画として興行収入が最高に”というお話もあったりしていて映画興行が世界的に戻ってきてる感があります。

日本でも昨年は”2022年邦画興収はアニメ3作品が100億円超え、洋画興収は前年比で約2倍に”という話もありました。上位5作品はこんな感じです。

1. 「ONE PIECE FILM RED」197.0億円(東映)

2. 「劇場版 呪術廻戦 0」138.0億円(東宝)

3. 「すずめの戸締まり」131.5億円(東宝)

4. 「名探偵コナン ハロウィンの花嫁」97.8億円(東宝)

5. 「キングダム2 遥かなる大地へ」51.6億円(東宝 / SPE)

邦画実写や洋画よりもアニメが強いのはここ数年の特徴ではありますが、それがとっても顕著だった1年のような気がします。

あと、なんとなく世界的に40~50代くらいの層をターゲットにした原作やそのリバイバルというか続編ものが多い気がしていて、いろいろ言われてますけど一番時間とお金がある層がターゲットになるのは世の常という感じなんですかね。知らんけど

日本のTVCMなどだといまだにF1やM1とか狙っている気もしますが、テレビ見てる層と大きく乖離はしている気もしていて個人的には60代以上をターゲットにすべきなんじゃないのかなっていう気はしています。

このあたりは最近上場したハルメクホールディングスの事業計画及び成長可能性に関する事項についてがとっても示唆に富んでいる気がしました。

特に新聞読んでいる層とかのデータは個人的に衝撃でした。

あ、このままいくと本題にいけないので、ここで本題

ということでコロナを踏まえて世界の映画興行収入はどうなっているのか

米国のMotion Picture Associationがまとめている「THEME REPORT」の201920202021というあたりと、このあたりのニュースや先ほどの2022年邦画興収はアニメ3作品が100億円超え、洋画興収は前年比で約2倍にというあたりから数値を持ってきてとりまとめてみました。

グラフにするかと思いきや、上位2か国がでかすぎるので、グラフよりもそのまま数値の方がよさそうなので、そんな感じにしてみました。

日本は2022年が前年比131.6%の2131億1100万円となり、動員数も1.5億人いるのですが、いかんせん円安の影響でドルベースだとちょっとしか伸びてない感があります。(たぶん円安というよりかは世界的なドル高なので、ドルベースだとちょっと他が不利な部分はありますが、、、)

ちなみに日本は2611億円(2019年)→1432億円(2020年)→1618億円(2021年)→2131億(2022年)という感じでして、2020年は2000年代最高の興行収入だったようですよ。

2023年はほぼ全世界的に戻ってきそうな感じで、先ほど話があった「すずめの戸締り」や「スーパーマリオ」の好調の背景にあるのかもですね。

人口では、北米(米・加)3.7億人、中国14.4億人、インド14億人、ロシア1.4億人、メキシコ1.3億人、日本1.2億人、ドイツ0.8億人、英国0.6億人、仏0.6億人、韓国0.5億人、豪0.2億人という感じです。物価も大きな開きもあるので比べるのは難しい部分はありますが。

インドや中国はまだまだこれから成長が期待でき、北米は人口増加もあったり消費意欲旺盛で物価上昇などもあるので伸びる余地はありそうで、欧州や豪州、韓国などは人口を考えると市場はそこそこ大きいなという印象はあります。

そのなかで日本はもともと人口を考えるとそこまで市場が大きくないなかで、これまでおおく観劇していた高齢化が進展することで徐々に劇場に足を運びづらくなっていく可能性が高く、そうなると市場は縮小していきかねないので、それに対して40~50代をターゲットにすることや高リピート層に支えられるアニメを深堀りしていくことで短期的にはいいかもしれません。しかし、新規開拓や劇場から足が遠のいている人たちをいかに改めて足を運んでもらうのかという視点をもたなければ、超長期で考えれば日本の映画産業が弱体化していく可能性も高いのではないかと思う次第です。

配信でもいいじゃないかという話もありますが、「映画を早送りで観る人たち~ファスト映画・ネタバレ――コンテンツ消費の現在形~」という本が話題になったように、コンテンツを消費するということであれば配信なども選択肢になると思いますが、映画館で映画を観るという体験自体がエンタメとしてどういう価値を提供できるのかということを試されていることでもあるのかなと思います。

何のために人はエンタメを楽しむのか

AIがいろいろな分野に浸透していくことも踏まえながら、このあたりを深堀りして考えていくことが、次の事業や投資の大きなテーマ探しに繋がっていくような気がしてなりません。

ということで往年の名曲「有楽町で逢いましょう」(フランク永井)を聞きながら終わりにしたいと思います。(Youtubeこれでいいのかな。なんか問題ありそうならあとで差し替えるか消します)

では、また。